チームビルディング
コーチング、ファシリテーション等とならんで、最近注目されているのが『チームビルディング (Team Building)』である。
これは、あらゆる組織活動の基本(ベース)を「人」に置き、人と人のつながりをデザインする手法である。
ここで云うチームとは、単に複数の人間の集まりではなく、ある共通の目的に向かって協力し合いながら行動する集団を指す。代表的なものに、会議やワークショップ、プロジェクトチーム等がある。
チーム活動で大切なことは、メンバーが与えられた役割の中で、それぞれの能力を最大限発揮するだけでなく、互いに協力し合ったり、刺激し合ったりと云った関係の構築を通じて、一人ひとりが個人の力だけでは成し得なかったパワーを発揮し、その相乗効果によって高い成果を生み出していくことである。
つまり、理想的なチームを作ることが目標でなく、確実に成果を手にするまでのプロセスを含めてチームをデザインすること。これがチームビルディングである。
チームの進化を示すモデルとしてよく取り上げられるのが『タックマンモデル』である。タックマンモデルでは、チームが形成されてから、機能するまでを次の4つのステップに分けている。
?フォーミング (Forming)
チームが互いのことをよく知らない状態。
?ストーミング (Storming)
メンバーの役割や責任の所在について意見が出され、対立が発生する状態。
?ノーミング (Norming)
チームメンバーがお互いの考え方を受容し、役割・責任の所在が明確になり、行動規範が生まれる状態。
?パフォーミング (Performing)
チームに一体感が生まれ、チームが機能する状態。
私も、本社から九州支社、関西支社、そして四国支店と、いろいろな場所で組織と人を見てきた。そして感じるのは、次のような点である。
・目的や役割分担についての認識を共有できていない
・コミュニケーションの機会が少ない
・問題点が解決されないまま放置されている
・利害関係や意見の食い違いにより対立関係が生じている
・モチベーションが低下しているメンバーや不満を抱えているメンバーがいる
・必要な知識やスキルが習得できていない
支社長が替わると、その場所の規模や土地柄を無視したオペレーションをやろうとする。
社長だろうが、場所長だろうが、就任早々、前任者の「全否定!」をやって、改革気取りをしていても、社員の気持ちを変えていくことはできない!
また、力を持って強引に変えたと思っても、その人が去った後には何も残らない..。
大切なのは..
チームとしての目標は何なのか・・、なぜチームとして活動する必要があるのか・・等をメンバー全員が共感できるようにすることが大切である。(目的の共有)
次に、メンバーのやる気を刺激し、主体性を持って参加したくなるような環境を整備することが重要だ。例えば、職場や会議室等の空間の演出や座席のレイアウトなどが重要な要素となる。(環境づくり)
密に意見交換をしたり、情報を共有したり、問題点を報告したりと云った情報伝達の仕組みを検討し、立場や考え方の違いを吸収しながら、メンバー全員の合意を形成できるように、コミュニケーションを行い、全員のコンセンサスを得ていくことが重要である。
チームビルディングには、強いリーダーシップが重要であるが、メンバーの「参加への意識」が成功のポイントである。