ブレーン・ストーミング

今日は、30年以上前の心理学で習った会議の方式の一つである「ブレーン・ストーミング(Brainstorming)」について紹介します。
この会議の方式は、新製品やアイデアを出す会議などに向いていると言われ、

 ?会議の目的をアイデアの抽出に絞る。
 ?質よりも量を優先し、あらゆる提案を行う。出てきたアイデアは、ホワイトボード等に書き出す。
 ?数多くのアイデアが出そろうまでは、出てきたアイデアに対して批評・批判はしない。
 ?誰もが思いつきそうなアイデアよりも、奇抜な考え方、ユニークで斬新なアイデアを重視する。

などの基本ルールがある。
とかく会議では、主催者やリーダーが一方的に喋り主導権を取るケースが多いが、この方式の会議では絶対に禁物である。

次に、出されたアイデアをくっつけたり、一部を変化させたりすることにより、新たなアイデアを生み出す「結合改善」の課程こそが、ブレーン・ストーミングの最大のメリットともいわれている。

しかし、注意しなければ効率を下げてしまうこともある。英語版 Wikipedia にこの辺のことが解説されているので紹介しよう。

?問題設定が絞り切れていない
いくら言い合ったところで、解決できない問題を議題に挙げることがある。
ブレーン・ストーミングを始める前に、問題の定義をすることが重要である。問題は明確で、
範囲が広すぎず、具体的な質問として定義されるべきである。

?問題に対する背景の共通認識を作らないままセッションを開始している
まず最初に、バックグラウンドの説明がないと、せっかく提出したアイディアが別の人に「いや、
それにはこういう話があってダメなんだよ」という具合に否定され、ブレインストーミング
一進一退になってしまう。

?その問題を議論するのに必要な人材が欠けている、あるいは多すぎる
よくある話だと、企画を作る人と実装する人とが同じテーブルについていないので、片方だけで
ブレインストーミングをしても何の成果も上げられなかったという場合がある。
また、アイディアが豊富で議論にも積極的に参加してくれる人を選んでブレインストーミングをする
ことも重要ではあるが、人材不足や組織の壁で中々実現できない場合がある。

?自由に意見が言える環境が整っていない
これは、致命的である。意見が批判されたり、揶揄(やゆ)されたり、上下関係で押しつぶされない
ようにする工夫がとられていない場合が多い。
ブレインストーミングをしているときは、アイディアへの評価は後回しということを忘れては駄目
なのである。

?セッションのまとめ役の経験不足
意見の交通整理をしたり、理解しにくいアイディアをかみくだいて全員に提示したり、時間管理や、
問題から議論の流れが外れたときの対応・・等の経験豊富で公平な「まとめ役」が必要である。

「未曾有の不景気」とか「100年に1度の不況」とかいわれている時代に、何とかして新しいアイデアで乗り切ろうとしている企業も多いことと思う。
会議のやり方を変え、大いにチャレンジして欲しい。