PDCAサイクル

みなさんは、PDCAサイクルをご存知だろうか?

これは、「品質管理の父」といわれたウィリアム・エドワーズ・デミング(1900年〜1993年 William Edwards Deming)が提案したといわれる、古典的なマネジメントサイクルの1つである。
?Plan(計画)?Do(実行)?Check(評価)?Action(改善)のプロセスを順番に実施し、最後の改善を次の計画に結びつけ、らせん状(スパイラル)に品質の維持・向上や継続的な業務改善活動を推進するマネジメント手法である。

以前紹介した、PMBOK のように「スタート」から始まり「エンド」で終わる考え方より、「絶え間ない改善」という日本人の感覚にあっていたこともあり、製造プロセスの品質向上や業務改善などに広く用いられ、ISO9000やISO14000などのマネジメントシステムに取り入れられている。

確かに、古くからビジネスの世界では使われている手法であるが、最近の環境変化のスピードを考えるとPlan(計画)の前に「まずは実行してみる!」という割り切った考えの方があっているような気がしている。

ラグビー日本代表監督の平尾 誠二(ひらお せいじ)氏が、新聞のコラムで次のことを言っている。

 3回タックルに行き3回成功するより、10回で3回成功の方が良い。
 なぜなら10回の人は10回成功する可能性はあるが、
 3回の人は絶対にそれ以上は成功しない。
 判断力はセンスではなく『トライアンドエラーの中で鍛えられる』ものである。

新しいことにチャレンジする場合、いろいろな事業計画を立てます。しかし、過去の経験では様々なことにチャレンジするが、実際に成功するのはごく少数であり、当初の計画ほど大きく狂うものはない。
やらない理由を並べ立てて留まっていればそれで終わりだが、一歩踏み出せばいろいろなアイデアや新しい構想が沸いてきて、次の展開が自ずから開けると思っている。

新しいことにチャレンジする時は、勇気がいる。そんな時、「やらない理由」はいくらでも湧いてくるのが世の常である。しかし、本当に決断すべき時に、いろいろと理由を付けて先延ばしにするリスクも考えなければならない。

何も挑戦しないで、悪くなったら環境や部下のせいにする管理者にはなりたくないものである。