「セグメント」とは?

2006年4月に放送開始された、携帯電話等の移動体向け放送のワンセグ放送。すっかり広く認知された感がある。ところで皆さんは、この「ワンセグ」とは、放送チャンネル帯域“1セグメント分”という意味をご存知だろうか・・?

ここで使われるセグメントとは、「全体を分割したものの1部」という意味で、使われるシーンによってその意味するものは変わってくる。

私がいるIT業界には、この言葉が実に多くの場面で使用されている。例えば、パソコンの内部でいえば、メモリ空間を条件によって区分したものの1つをセグメントと呼ぶ。

インターネットに欠かせないネットワークの1つLAN関連の言葉としては、セグメントと呼ばれるものは3通りある。
まず、LANに接続している中で1つのかたまりとしてとらえることのできるもののこと(例として、企業内LANでは、部署やグループなど)をネットワーク・セグメントと呼ぶ。次に、もっと細分化して、1つの機器から送出されるパケットの到達する範囲そのものをいい、さらに、そのパケットそのものも、セグメントと呼ぶことがある。

いずれも同じ言葉を使っていながら、直接的には繋がりはない。重要なのは「なにかを分割した1部分」であるという意味のみである。

では、最近多く聞かれる使い方を見てみると・・。

2011年7月24日でアナログ放送は終了し、日本も完全デジタル放送時代に突入する。日本の地上デジタル放送には、「直交周波数分割多重方式(OFDM)」という技術が使われており、1つのチャンネルの持つ帯域を分割して使用している。

具体的には13の部分に分割し、そのそれぞれに映像、音声、データ・・  といった役割を持たせて、重ね合わせて1つの放送コンテンツとして送信している。

つまり、1チャンネルは13のセグメントに分割されているということになる。従来の地上アナログ放送と同等の画質による放送ならば、わずか4セグメントで行えるため、将来的には1つのチャンネルでありながら3種類の異なった放送が行えるという可能性がでてきた。

この様に通常画質放送の3本分を放送しても、12セグメントで済む。また、最近あまり聞かなくなった?ハイビジョン放送は、1本分として12セグメントを利用する。どちらにしてもOFDMの13セグメントの最後の1つが余る。

実は、この余った1セグメントは移動体向けの放送を行うものとして区分されていて、この移動体向け放送が、通称「ワンセグ」放送と呼ばれるものである。つまり、1つのセグメントを利用した放送であるため「ワンセグ」と呼ばれているのである。

また、最近多く聞く、セグメントという言葉の使い方として、マーケティング用語としての使い方がある。

自社の顧客を何らかの基準で区分し、その1区分をセグメントと呼ぶ。具体的には、男性か女性か、年齢層がいくつか、居住区域がどこか、というような形で顧客の分類を行い、その1分類に対してどういったマーケティング手法が効果的であるか、というようなことを考えるときに使われる。

最近、RFM分析にチャレンジしている。マーケティングでは非常に有名な分析手法であるが、顧客を、最新購買日(Recency)、累計購買回数(Frequency)、累計購買金額(Monetary)でランク付けを行い、顧客をセグメント化し、マーケティングのやり方を変えていこうというものである。

今いる地方支店のような小さな場所では、限られた人数でビジネスを展開しなければならない・・。 選択と集中をやる意味でも「顧客のセグメント化」は必須である。