10・15モード燃費

最近のエコカーブームで、この言葉をよく聞くようになった。これは、1リットルの燃料で何?走行することができるか、自動車の使用状況に配慮し決定される「燃料測定方法」のことである。

私も以前、自動車整備業向けシステムの開発を担当した経験があるので、今でも車のことについては興味がある。

かつて、燃費は一定の速度(日本では、普通自動車の制限速度の上限である60km/h)でテスト走行を行った結果を燃費としてカタログ等に表示していた。

しかし、日本のような市街地走行が多い国だと、カタログに表記されている燃費と実際の燃費が乖離し実態とそぐわない状況が生じていた。
そこで新たに採用されたのが、市街地を想定した10項目の走行パターンを想定した10モード燃費、そして郊外を想定した15項目の走行パターンを加えた10・15モード燃費である。

先週、マツダが主力車「アクセラ」を発表した。ハイブリッド車に人気が集まっている中、マツダの環境対応はハイブリッドではなく、別の方向性を示している。

マツダアクセラは、独自開発のi-stopを搭載している。i-stopは、信号待ちをしている時にはアイドリングを停止する機能で、30分の走行で220?のガソリンを節約できるというもの。(詳しくは、こちらをご覧下さい。)

i-stop搭載の「アクセラスポーツ20C」は、2,000?の排気量で車両本体価格が189万円、10・15モード燃費はカタログ値で16.4km/lである。プリウスと違ってスポーツ車を目指していること、排気量も200?ほど大きいので単純な比較はできないが、プリウスが38.0km/lであることを考えると約半分、環境対応車という割にはプリウスとの差が大きいと感じてしまうかもしれない・・。

マツダというと昔から、他社とはどこか違うコンセプトを持った車を開発・発売している。世の中が6気筒エンジンといっているときにロータリーエンジンを出したりとか・・。
NHKの高視聴率番組「プロジェクト X(エックス)」でも、ロータリーエンジン開発チームの苦難が放映されたこともある。

環境対応車の代表格のようにいわれているプリウス。三菱からも電気自動車 i-MiEV も発売された。これらは、ガソリンの使用率を大幅に改善、あるいはゼロにしている。
しかし、2Lのガソリン車なら車両本体価格はプリウスよりも安く、新型プリウスで改善されたといっているが、ハイブリッド車や電気自動車では、バッテリー交換が必須である。

10・15モード燃費は、確かに重要な指標である。しかし、一般の人が車を乗っていて、この燃費になっているドライバーはほとんどいないだろう! ところが、ハイブリッド車は、このカタログ値ばかりがメッセージとして伝わり「過大評価されている!」ように感じる。

それに対し、ガソリン車の環境性能に関してはあきらかにアピール不足である。日本人は、とかく「比較広告」が嫌いな人種である。マツダには、ロータリーエンジンを世に出したエンジニアスピリッツ(魂)があると思う。

私は、この「こだわり」が大好きである。マツダ次の一手に期待したいものである・・!