一期一会

一期一会(いちごいちえ)とは、「人との出会いの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのもの。だから、この一瞬を大切に思い、今できる最高のおもてなしをすること」という意味であり、千利休(せんの りきう)の茶道の心得である。

言い換えれば「二度と会えないかもしれない・・ という覚悟で、常に人とは接しなさい!」ということでしょうか・・。 何とも良い言葉である。

皆さんは、松原 泰道をご存知だろうか?

龍源寺の前住職で、著書も多く、講演も多数こなしている方である。慈愛に満ちた笑顔は、一度はご覧になったことがあるかもしれない・・。

老師がある講演の中で、次のように言っている。

 昔は、出掛けるときには必ず「いってまいります」とか「いってくる」と
 いったものです。

 見送る場合も「途中で事故がありませんように・・」という
 気持ちを込めて「いってらっしゃい」といいました。

 今は帰ってくるときにやっと一声出るのが「腹減った。飯はまだか」。

 これでは、誠にさみしいですね。一期一会の愛情を込め、
 祈りとやすらぎを念じる「おかえりなさい」「ただいま」という言葉を
 忘れたくないものです。

皆さんの家庭ではどうだろうか?

私も家族が出掛けるときは、老師の言葉にあるように無事を祈り、「行ってらっしゃい!」が日課であった。
しかし、今は別々に生活をしているので、朝晩、両親と祖母の遺影に手を合わせるときに、心の中で言っている。

会社でもそうである。朝夕の挨拶、社員が出掛けるときの声掛け・・。 「当たり前のこと」が「当たり前(自然体)」にできるようになりたいものである。それができたなら、素晴らしい家庭、素晴らしい社会・会社ができると信じている。