倒産の危機。 ジャストシステムよどこへ行く・・!?

あのワープロソフト「一太郎」のジャストシステムが、倒産の危機に瀕(ひん)している。

2009年4月3日、キーエンスを割当先とする第三者割当増資を4月20日付けで実施し、キーエンスと資本・業務提携すると発表した。増資により、キーエンスが発行済み株式の44%を取得し筆頭株主になる。

また、5月22日にホームページで「決算説明会資料」を公表した。(資料は、こちら

さらに6月18日には、創業者浮川 和宣氏は代表取締役会長に、浮川 初子氏は取締役副会長に退き、一太郎の開発者で天才プログラマーといわれた福良 伴昭(ふくら ともあき)氏が、代表取締役社長に就任すると発表した。

過去3年間の業績を見ても、3年連続の営業損失を計上。今回の決算でも、営業損失が959百万。純利益でも18億円のマイナスである。

今回の業務提携により、キーエンスより45億円の資金援助を受けることになる。業務提携の話は、キーエンス側から持ちかけられたといわれるが、真意はどこにあるのだろうか・・?

私は、一太郎の初期から定期的にバージョンアップをしている。いわゆる「一太郎派」である。毎回とはいかないが、最近もジャストシステムに対する支援?! の気持ちでバージョンアップに付き合っている。

しかし、会社や仕事で一太郎を使うことは、まずない・・。 使いづらい、マイクロソフトのワード(Word)を使っている。

ジャストシステムは、ワープロの他にも、表計算、データベースなど、一通りのオフィス関連アプリケーションを持っている。
一つ一つをとれば、決してマイクロソフト製品にひけをとらないにも関わらず、大きく引き離されているのは、言うまでもなくOS(Operating System)の力である。

しかし、その様な中でも確実にシェアと販売実績を伸ばしている製品がある。それは、ATOK(エイトック)である。業績が厳しい中にありながら、ATOKだけは前年同期比130%以上の伸びを示している。

かつては、日本のソフトウエア業界のリーディングカンパニーであった。ところが、1995年頃からワープロ関連の制作から脱皮しようという動きをみせていて、 アメリカに開発拠点を設けたり、インターネット関連事業に進出したりしている・・。

しかし、ジャストシステムの基幹はなんといっても「日本語処理」である。ATOKは、まだまだMS−IMEには大きく水をあけている。

日本語処理は、奥が深い分野である。全文検索ソフト「ConceptBase(コンセプトベース)」やIBMと共同開発した「音声認識システム」等の開発実績もジャストシステムにはある。

今後、キーエンスの傘下に入ることにより、より集中と選択が行われるだろう。そんな中で、是非やってほしいのは「翻訳システム」である。

インターネットがいくら普及しても、言語の壁は依然ある。意識しなくても、英語と日本語双方向の自動翻訳が可能となるような仕組みがあったら、どの位の日本人が世界の人々と交流することができるだろうか・・。

今、話題になっているクラウドコンピューティングCloud computing)。SaaSSoftware as a Service)により、翻訳サービスが一般的になったら、どこにいても言葉の障壁がないコミュニケーションを図ることが可能となる。

私は、こんなことをジャストシステムには期待したい。1ファンとして・・。