たたむとき・・

JR高松駅から南北に日本一の長さを誇る「高松中央商店街」が続いている。商店街は、全長2.7?のアーケードになっており、地場産業の魚のすり身を揚げたてんぷらや和菓子、漆器など昔ながらの伝統を守り続ける老舗、地場産品をラインアップした店、さまざまなブランドを扱うブティックと、レトロな讃岐情緒からトレンドまで、ショッピングを楽しむことができる。

Louisしかし、高松は製造業などの第二次産業の基盤が薄く、典型的な「支店経済」の町でもある。本州四国連絡橋の開通は、便利さと引き替えに四国の経済を大きく変えることとなった。企業の支社・支店の統廃合。人口の減少・・ 等々。

アーケードを歩いていても、廃業や移転で閉まっている店を多く見かける。昔は、栄華を極めていたであろう商店のシャッターは、落書きやいかがわしいポスターが貼られている・・。

この建物をきちんと整理し、きれいで調和の取れた場所に再生していれば、現在の店やレストランも美しく見えるかもしれない・・。そうすれば、訪れた人もまた来ようと思うかもしれない。観光地としての将来の繁栄に通じる可能性もある。

最後の閉めをきれいにすることが、その場所の将来の発展、少なくとも美しさをつくることになるのではないだろうか。

我々の周りでは、多くのプロジェクトが生まれている。そして終わっている。その中には、成功したものもあれば、やっと終了したもの、中には途中で中止になったもの・・ 等、様々なプロジェクトがある。

我々はそれに慣れ過ぎ、終わってしまったプロジェクトはすぐに忘れてしまい、次のプロジェクトにあたふたと取りかかかる。

失敗プロジェクトでは、表面的な責任追及だけがされていることが多い。そして恨み、燃え尽き、捨て鉢の雰囲気が蓄積されていく。

うまくいかないプロジェクトをたたむとき、それを整理し、きちんと将来に残すことが次への飛躍につながる。

これをするのは、直接的にはプロジェクトメンバーであるが、それをさせるのは全体風景を管理している経営者やPMO(Project Management Office)である。
経営者に全体風景の管理の認識がなく、PMOがラインのプロジェクトの結果を叩くだけで、整理と見通しを立てるための役に立っていないなら、その組織に発展はないのである。