一太郎、25周年!

今月5日に一太郎の新バージョン「一太郎 2010 (オフィス製品は、JUST Suite 2010)」が発売された。

今回発売された一太郎には、特別の意味がある。それは、一太郎が発売されてから25周年にあたると云うことである。

バージョンアップの案内には、見開きでジャストシステムの新社長「福良 伴昭(ふくら ともあき)」氏のメッセージが載っている。

以前、このブログでも「倒産の危機。ジャストシステムよどこへ行く」でキーエンスの増資受け入れのことを書いた。そこでも書いたが、福良氏と云えば一太郎の開発者である。

JS-WORDアスキーから販売)を開発したのが20歳のとき。それからの25年は、一太郎と共に歩んできたことになる。彼の四半世紀の歴史と一太郎にかける想いが案内の小冊子には綴られている。

ジャストシステムの大きな転機となったのは『一太郎 Ver.4』のときである。当時のパソコンのOS(オペレーティングシステム)は、MS-DOSが主流であった。
マイクロソフトが、MS-DOS上で動くWindowsを出したのもこの頃である。マイクロソフトは、Windows上でのソフトウェア開発をソフトウェアベンダに促したが、上手くいっていないときでもあった。

その頃、ジャストシステムの打ち出したのが、独自のウインドウシステム「ジャストウインドウ」である。ワープロソフトでは、絶対的地位にあったジャストシステムが打ち出した戦略である。

しかし、開発の管理体制の不備により品質問題が発生。ソフトウェアベンダもジャストウインドウの戦略には同調せず、ジャストシステムの独自路線は崩れることとなった。

その後、マイクロソフトは従来のようなMS-DOSの上で動く「外付けのウインドウ」ではなく、完全にOSとして独立している「Windows95」を発売した。
Windows95によってマイクロソフトは圧倒的地位を確立し、ワープロソフト(Word)もOSと共にシェアを拡大していったのである。

マイクロソフトに対し正面から勝負を挑んで敗北していった企業は数多くある・・。ジャストシステムもその中の一社である。

福良氏の言葉にあった「すべてはお客様とともに」の精神で、これからも発展していって欲しいと思う。日本のソフトウエア業界のためにも・・。

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