リスク

プロジェクト管理においてリスクを早めにキャッチアップして、いかに回避していくかは非常に重要である。

当社のプロジェクト報告にも「課題/リスク管理リスト」があり、リーダーは必ず報告することになっている。

「課題」とは、解決しないとその先へ行けないこと。リスクとは、もしそれが起これば、時間、コスト、スコープ、品質などのプロジェクト目標にプラスやマイナスの影響を与える不確実(想定できない..)な事象あるいは状態のことをいいます。

しかし、リーダーの報告を聞いていて「課題とリスクを取り違え」ていたり、リスクに気づいていないと感じることが多い。課題とリスクは、全く別物!。プロジェクト管理で重要なのは、課題よりむしろリスクの認識(リスクの識別)・分析、それに対する対応計画、実施フォローである。

リスクはソフトウェアの開発規模に比例し、管理/技術的レベルに反比例すると思っている。(別の言い方をすれば、開発規模が大きくなればなるほどリスクは大きくなり、管理や技術レベルが低いとリスクは増大する。)

また、リスクは待っていても駄目で、こちらから探しに行く事が重要である。早い時期にいかにリスクを予見し、対応行動を取っていくかがプロジェクト管理では最も重要であると思っている。

以前「コミュニケーション・ギャップは、早い時期に撲滅せよ!!」ということを書いた。それは、プロジェクト崩れの原因の大半は、「コミュニケーション不足」にあると思っているからだ。

リスクを早く見つけ、早期に対応をすることが重要である。そのためには、日頃からギャップを取り除く場所(週1回のミーティング等)が必要である。

特に重要なのは、プロジェクトのスタート時期。この段階で、上長も参画し、方向付けをする事が後のプロジェクトの進め方に影響を及ぼす事を認識して頂きたい。(私の経験では、この時期に上長も入ってキチンとできていれば、その後は管理精度を多少落としても問題が発生しないと思っている。)

フォローするポイントを書き出すと、次の様になる。

 ・リスクの洗い出し(把握)
 ・リスク管理表の作成・レベル付け
 ・リスクに対し、早期対応行動を起こす(レベルの高い順に...)
 ・上記リスクに対し、管理者・営業・PM(PL)・プロジェクトメンバー全員が共通認識を持つこと

管理者の役割は、プロジェクトを成功に導くために「レールを敷く」こと。そのために、プロジェクトの初期段階で手を抜いてはいけない!ということを再認識すべきである。