属人化という問題・・

日々の問題にキチンと対応しているため、上司もこの分野(お客様)は、この人間に任せておけば大丈夫!… と思っていたのも束の間、退職してからいろいろな問題が表面化して苦労された方も多いと思う。

この様に、ある仕事が特定の人間に深く依存し、その人間から詳しく説明を受け、更にはしばらくの期間、一緒に仕事をしないと、他の人にはその仕事の内容を理解できない状態を「属人(ぞくじん)化」という。

どんな業界でも、この様な事は珍しくはないのかも知れないが、我々IT業界では、システム保守ができなくなったり、最悪の場合システムが正常稼働しなくなったりと企業にとって「致命的なダメージ」を被る事もある。

属人化の状態にある場合、

 ?客観的に自分を評価できない。
 ?他の人の状態や気持ちが理解できない。
 ?他の人との良好な交流を阻害したり。

と、幾つかの弊害が生まれる。

属人的な仕事をしている人間に共通していえる事は、ドキュメントを残さない! 或いは、残っていたとしてもほとんど役に立たない事である。

また、精神面・技術面といった「SEの成長を阻害」し、最後はSEの「人間性をも閉鎖的にさせる」原因となる。

欧米には日本の様な「終身雇用制度」がない。従業員がいつ辞めるかが、経営者にとって問題である。退職しても、代わりの人間がすぐに仕事に就けるよう、作業の単純化・標準化が行われている。属人化に対するリスク回避といえる。

しかし、属人化も悪い事ばかりではないと思っている。?自由な発想を醸成したり?専門化するといったメリットもある。

重要なのは、いかに通化・標準化を図り、属人化のメリットを出していけるか? だと思っている。