品性(ひんせい)

ピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)は、オーストリア生まれの経営学者・社会学者である。

その著書「現代の経営」の中で、次のように述べている。

経営者がなさねばならない事は学ぶ事が出来る。しかし経営者が学べないがどうしても身につけていなければならない資質は天才的才能ではなく、その人の品性だ

管理・運営のテクニックは、教える事ができるが、品性は教える事が難しいと説いているのである。

「品性」とか「品位」あるいは「上品」といった言葉は、日常生活でもよく使われるが具体的なイメージとしてはなかなか描き出しにくい概念である。

辞書を調べても「道徳的基準から見た、その人の性質。」と中々理解できない。私は、「品性がない人」の一例を挙げると次のタイプだと思っている。

 ?目上の人には諂(へつら)い、目下の人に傲慢(ごうまん)な態度をとる。
 ?相手の立場や能力を認めようとせず「思いやり」に欠ける。
 ?度を越した金銭欲、物欲、権力欲、支配欲、性欲・・とそれに対する自制心がない。
 ?自分自身の確固たる価値観すなわちアイデンティティがなく、目先の利害だけを追求する。

品性を身につけることは、決して容易なことではないが、ある程度までは誰でも、心構え次第で身につけることは可能であると考えている。そして、個々人がほんの少しずつでも自分の品性を高めることができたなら、会社生活やプロジェクト推進においても快適さが高まると思っている。

真に優秀な人には品性がある。リーダーは、確たる信念を持ち、自分を信じ、常に周りに気遣いや思いやりを向けられるような「品性」を身に付けていただきたい。