公正取引委員会の決定が与える影響は・・

今朝のニュースで公正取引委員会が、セブン−イレブン・ジャパンに対し「弁当の見切り販売」を制限したのは、独占禁止法違反に当たるとして排除命令を出した。

お弁当は消費期限が短いため売れ残りが出やすい。一般にコンビニではそれでも値引き販売はせずに、売れ残ったら廃棄処分にするようマニュアル化されている。

一方、加盟店からは、廃棄ロスが大きいため、値引きしてでも売ってしまった方がメリットが大きいとの声もある。

他店より早く見切り販売に切り替えれば、それは消費者に受け入れられ、一時的に売上は増大する。(先行メリット)
こうなると、他店も追従してくる・・。 すると以前のような定価販売はできなくなり、値引きした価格でしか売れなくなり、全体の売上総数は減少する結果となる。

元々、コンビニの商圏(エリア)は限定され、来店数の変動もあまりないとされている。人の胃袋の大きさもさほど変わらない・・。いくら値下げしても、販売量は拡大しないのである。

今回の公正取引委員会の決定は、短期的にみれば加盟店の経営改善につながる。しかし、長期的には競争を強いることから、返って厳しい状況に陥る可能性が高いといえる。

この排除命令は、加盟店のためより「消費者の利益を優先」したといえる。コンビニ業界では、お弁当による売上が主な収益減だったことを考えると、加盟店への影響は早い時期に出てくると思う。

廃棄処分は、今のエコブーム? に逆行する社会的問題である。この様な背景も、公正取引委員会の決定の背後にあったのではないか・・。

安易な値引合戦に走るより、いかに廃棄品を少なくするかといった「需要予測の精度向上」に力を注ぎ、生産量を調整する対応が必要と考える。

もしも、ここで「値引き」などをやってしまったら需要予測の精度はさらに悪化し、価格競争を強いるだけでなく、より多くの廃品を出すという、悪循環に陥ると思う。