聞いてくれる人がいる・・
新聞の投書欄に、結婚20年目の主婦が「うつ病の夫と別れたい」と云う記事が載っていた。
自殺者も交通事故死の4倍にあたる3万人から減らないという現実。また、自殺未遂をした人の数は、自殺者の10〜20倍とも云われている。
自殺原因の6〜9割を占める「うつ病」について考えてみる。
ストレスなどで生じた「脳内神経伝達物質のバランスの乱れ」が原因となって、憂うつな気分や無気力などのうつ病の症状があらわれる。決して「気持ちの持ちようや性格による」ものではない。
うつ病は、的確な治療をすれば、7割くらいの人が1年以内に、ほぼ回復するが、たとえ治療法は正しくても、2割弱の割合で、なかなか治らず慢性化することもある。
IT業界には、うつ病で悩んでいる人が多い。私の周りでも、うつ病で休職している人、退職した人が何人かいる。
うつ病は、特定の人がなる病気ではなく、ごく普通の人がなる病気なのである。この記事を読んでいる方の中にもいるかも知れない・・?!
うつ病になる前に、多くの人は兆候を示す。その兆候にいかに早く気付けるか・・、そして対処できるか・・ が、うつ状態からうつ病への移行を防ぎ、うつ病の重症化をも防ぐことができる。
以下に、職場で見られるうつ病の兆候の代表的な例を挙げてみる。
?欠勤・遅刻・早退が増えた
?感情が不安定になり、愚痴をこぼし出す
?行動が緩慢(かんまん)で仕事の能率が下がる
?仕事上でミスが増えた
?外見を気にしなくなった
うつ病にならない最大の秘訣は、「誰かに話を聞いてもらう」ことである。しかし、うつ病になる人のほとんどは、これが上手くできないのである・・。
変化に気が付いたなら、家族や会社の同僚が、積極的に「話を聞いてあげる」ことが重要である。
そんな、良い意味での「おせっかい」が必要なのである。 うつ病で悩む人にとって『聞いてくれる人がいる』ことがどれほど心強いことか・・。