プレゼンテーションは、完璧だったのだが・・
150億円を超えるとされる招致活動費を投じた、東京へのオリンピック招致も失敗に終わった。
テレビのインタビューに対し東京都の石原知事は、プレゼンテーションは、完璧だったと行っていた。
リオに決まった瞬間の現地の様子を中継した番組を見た方も多いかと思うが、初の南米開催に喜ぶ群衆の数はもの凄いものであった。
日本時間では深夜ということもあるが、仮に東京に決まっていたら、一体どれ程の人数が集まっていたであろうか・・。
私は、当初から日本での開催は100%ありえないと思っていた。なぜなら、前回の北京に続いて同じ地域での開催や、特定の先進国だけで2度3度と、たらい回しにする時代ではないと思うからである。
逆に東京が積極的に招致活動をやっているのを見て、「彼らは本当に勝てると思っているのだろうか・・?」と不思議なくらいであった。
ビジネスの世界でも、プレゼンテーションは頻繁に行われる。また、「コンペに勝てるかどうか」の判断も非常に重要である。
コストで決まることもあれば、提案内容の良し悪しや、プレゼンのうまさで決まる場合もある。
また、既存業者との「しがらみ」や「政治的な力学」で決まることもある。この時代で利益の出せている企業は、ダボハセ型から脱却し、勝てるコンペ、勝ち目のあるコンペだけに集中して参加している。
そのためには、客観的に第三者の立場から判断できる冷静さと、その判断のための情報取得が大切である。
「コストで負けた」「政治力学で負けた」と言い訳する人は多いが、多くの場合その前に『活きた情報をもらえるほどの信頼関係を築けなかった!』ことが敗因だと考えるべきであろう。