サンクスカード

これは「風通しがよい社内の仕組み作り」のために、ある会社が実際に取り組んでいることである。

それは、感謝の気持ちを名刺大の紙に手書きで書いて、部下や同僚、上司やビジネスパートナーに手渡すというものである。
「○○ さん、忙しいときに手伝ってくれてありがとう」というようなものである。
社長もカードを常時携帯し、毎月百枚は書いているそうです。これをやって何が良くなったかというと、素直に「ありがとう」と言える雰囲気が社内に生まれたということ。また、上下間はもちろん、横のコミュニケーションが飛躍的に改善されたそうである。

話は変わるが、みなさんは「マズローの5段階欲求説」をご存知だろうか?

アブラハム・マズロー(1908年〜1970年 A.H.Maslow)は、アメリカの心理学者であり、彼の唱えた段階欲求説の中で、人間の欲求は五段階のピラミッドのようになっていて、底辺から始まって、1段階目の欲求が満たされると、1段階上の欲求を志すというものである。

マズローが唱えた欲求の段階は、?生理的欲求?安全の欲求?帰属の欲求?自我の欲求?自己実現の欲求である。
「生理的欲求」と「安全の欲求」は、人間が生きる上での衣食住的な根源的な欲求であり、「帰属の欲求」とは、他人と関りたい・・、他者と同じようにしたい・・ などの集団帰属の欲求で、「自我の欲求」とは、自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める認知欲求である。
そして「自己実現の欲求」とは、自分の能力・可能性を発揮し、創造的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求のことである。

冒頭で紹介した会社の例は、「帰属の欲求」・「自我の欲求」を充足させる取り組みかもしれない・・。夫婦や友達の間でも、してもらったことに対し素直に「ありがとう!」は中々言えないものである。

トップ自らが、これを実践している。素晴らしいことである。当たり前のことを、構えず「自然体に」やれるように努力しなければと考えさせられた例である。