今年も宜しくお願いします。
明けましておめでとうございます。
2008年8月16日から始めたこのブログも投稿した記事が、今回の記事を含め150件となりました。
この間、度重なる転勤と環境の変化で投稿の間隔もあき、途中で挫折しかかったこともありましたが、なんとか今日まで続けることができました。
私の拙文にお付き合いいただき、コメントやメールをいただいた方々には、あらためて御礼申し上げます。
2008年は、企業の不祥事が多発し企業倫理、取り分け「トップの倫理観」が問われた年でした。
昨年は、黒人初の米大統領が誕生したり、日本では、戦後政治を引っ張ってきた自民党政権が崩壊し、民主党が政治の舵取りをすることになりました。今までの常識や価値観が崩れ、新たな時代の幕開けを予見した年ではなかったでしょうか..。
戦後の日本人は、自らのビジョン(個性)を企業や官庁といった組織に委ね、「オリジナリティー」よりも「あるべき論」が優先されてきました。
企業経営においては、「ヒト、モノ、カネ」が経営資源として必要不可欠なものと言われてきました。
人や組織といった「人的経営資源」は、モノやカネとは異なり、自ら考えて行動することができる、本質的に他人のコントロールからは自由な存在であるべきです。
そうした自由な存在を、あたかもモノやカネのように自らの意思を持たない存在と同列に取り扱うような企業経営のありかたは、いよいよ問題とされるべきときに来ていると思います。
なぜならば企業存続に無くてはならない「イノベーション」は、モノやカネではなく、自由意思を持っているヒトだけが起こすことができると言えるからです。
しかし、最近の企業を見ていると、錦の御旗と言わんばかりに「企業倫理」のもと、数々のルールが作られ、表面をなでるだけの形式ばかりの管理のみが行われているように思われます。
その結果、
?コミュニケーションができない人間
?失敗を恐れオドオドとした人間
?上から指示されたことだけをやる人間
を作り出してきたのではないか・・。
人材育成を担当してきた人材(教育を担当する部門・人という意味ではなく、部下を育成する立場にある全員を意味する)も、イノベーションとは真逆にある、むしろ保守的な人材ではなかったのか・・。
実際にイノベーションを起こす個々のヒトにフォーカスが当たっていなかったのではないか・・。
いろいろな反省が出てきます。
一昨年のリーマンショック以降、世界的な景気低迷となり、最近は「2番底の兆しあり」と言われ、ますます先行きが不透明です。このような時代には、前述したように自らのビジョン(個性)が重要だと思っています。
他人の真似事ではない「オリジナリティー」を持った発想(アイデア)と実践が必要です。
今年は、自分自身が変われるか・・。それが問われる年になることでしょう!
ウミガメの里、大浜海岸(徳島県)の朝日です。
ビッグウエンズデー
少々古い記事ですが、6月26日の日経新聞に「通販、コンビニ・百貨店抜く」と云う記事が載りました。
通販市場が急成長しており、2008年度の全国売上高は、推定で8兆円を越えるというものです。
2007年度はコンビニが百貨店を抜き、今度は通販がコンビニを抜くと云う状況です。この変化の早さは、凄いものがあります。
通販の7割は、自宅や外出先からパソコン・携帯電話を使いインターネット経由で注文されるそうです。
先月の日経MJに、ネット通販の売上高を曜日別に比べた記事が載っていました。
皆さんは、何曜日が一番売れると思いますか・・?
誰もが「日曜日」と答えると思います。日曜日が休みのサラリーマンが多いので、ネット・サーフィンをやっている時間が長いから・・と云うことが理由の様です。
逆に売上高が低いのは、金曜日と土曜日だそうです。では、売上高2位の曜日は、分かりますか?
なんと「水曜日」です。楽天市場の調査ですが、2006年ごろまでは水曜日は5位。その後、徐々に順位を上げ、今では日曜日と大差ない売上高を記録するようになったそうです。
そこで、楽天では水曜日を「ビッグウエンズデー」と呼び、水曜日に買う気を逃さないようポイント率を上げたり、メルマガを発行しているそうです。
これの成果があって、3割程度の売上増になった店もあるとか・・。
なぜ水曜日が多いのかは、推測で次の理由が考えられます。
?水曜日を定時退社日に設定している企業が多く、定時で帰宅してネットサーフィンを
している人が増えた。
?日曜日に届くように、水曜日に注文している。
企業が景気対策として行っていることが、消費者の購買行動の変化として表れてきているようです。
これは一つの仮説に過ぎませんが、でもありそうな話です。このような情報を如何にして的確に掴むか、これが販売努力というものだと思います。
写真は、野北漁港(福岡県)でのワンショット。玄界灘に沈む夕日です..。
旅行業界の変化に学ぶ・・
先日の日経MJに興味深い記事が載っていた。
旅行業界では、出発地を「発地」、旅行先を「着地」と呼ぶそうである。
大手旅行代理店が企画・販売する商品のほとんどが、発地側で企画されたものである。最近注目されているのは、着地が主体となって旅行者を呼ぶ『着地型旅行』だそうだ。
2007年に「旅行業法施行規則」の一部が改正され、第三種旅行業者も着地型に限り企画・販売が可能となり、第三セクターなどの旅行業登録者が増えたことが背景にある。
発地側の人では、着地側の魅力の全てを理解しているわけではないため、知名度のあるところへしか旅しないのが普通である。
そこで、着地型旅行であれば、魅力の全てを見せられる、そして、地元住民と一体となった観光開発、特産品の開発、町おこしができるというメリットがある。
記事の中で、群馬県大泉町の例が紹介されていた。大泉町は、日系外国人の比率が16%と全国一高い土地で、人口の約10%がブラジル人である。
その特徴を生かし、ツアー参加者といっしょにサンバを踊ったりブラジル人とのコミュニティーの体験が日帰りでできると云うものである。
高齢化により、このような「着地型旅行」はこれから人気が出てきそうである。そして、着地型旅行を企画することが地元の活性化につながる。
これと同じようなことが、企業には幾つかある。我々が取り扱う商品のほとんどは、東京(或いは大阪)と云った大都市で企画・開発されたものである。
地方の意見を取り込んでいると云っても、多くを販売している主要都市の要求が優先される。また、販売するためのカタログ等の販売ツールも、首都圏で企画・作成されている。
数が優先される現代では、このような動きはどうしようもないことではあるが、問題は、私がいる四国のような「田舎」に都会の商品やビジネススタイルをそのままの形で、持ち込もうとしていることである。
こちらに赴任して、社員が過去やってきたことを見ると、ほとんどが都会型ビジネスをそのままの形で実践されてる。
しかし、それらの多く(すべてと云ってもいいかもしれない・・)は長続きせず、支店の主力BU(Business Unit)にはなっていない!
輸出に頼っている日本は、最近の円高により益々景気の不透明さを増している。四国にも外需に頼っている企業(製造業)が数多くある。
しかし、四国の土地柄を生かした「内需型」の企業も沢山ある。少子高齢化の現代で、内需をいかに増やしていくかは、日本の将来にとっては非常に重要な課題である。
私は、内需型企業に対して、売上増、コストダウンにつながるような提案を積極的に行うことが必要だと考えている。
そのような企業に、少しでも我々が持っている経験・技術が生かせるのであれば、必ず受け入れられるし、ビジネスとして定着すると信じている。
前述の「着地型旅行」もポイントは、プロモーションをどの様にしていくかである。資本力・知名度では、大手旅行代理店には勝てない。
しかし、インターネットを活用して情報発信し、ネット上での「口コミ」による広がりができたなら、成功の可能性は充分あるように思える。
写真は、奥祖谷(徳島県)にある「二重かずら橋」である。かずら橋と云うと祖谷が有名であるが、観光客の多くは奥祖谷にもかずら橋があることを知らない・・。